一問一答
自社で動画マニュアルを内製化しようと思うのですがポイントはなんでしょうか?
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自社で動画マニュアルを内製化しようと思うのですがポイントはなんでしょうか?
動画マニュアルを内製化するポイントは、大きく『マニュアル作成』と『マニュアル運用』の2つのフェーズに分かれます。それぞれのポイントは、以下の通りです。
<マニュアル作成フェーズのポイント>
①マニュアルを作成する業務の選定
動画マニュアルに向いている業務とそうでない業務を選別し、動画マニュアルを作成する業務を特定します。やはり、動画マニュアルは動作を伴う業務に適しています。一方で、帳票類の記入方法等は、スマホやタブレットの中に記入例を閉じ込めてしまうよりも、原寸大の紙の記入例を見ながら書く方がラクなので、動画マニュアルに向いている業務とは言えません。
②作業手順・ルールの標準化
複数のメンバーがマニュアル作成を担当する場合には、プロセスの数、文章作成のルール、箇条書きのルール等、マニュアルを作成する手順やルールを決め、事前に周知しましょう。特に、1本当たりの動画の長さを決めておいた方がいいでしょう。10~20分も流しっぱなしで見る動画マニュアルは、見る方も苦痛ですし、日常業務の中でちょっと確認したい時には使いにくくなってしまいます。また、作業手順・ルールを決めたら、作成を担当するメンバーには勉強会を開催し、レクチャーをしましょう。作成手順をマニュアルにしておくことも有効でしょう。
③マニュアル作成ツールの準備
動画マニュアルを作成するには、動画を撮る道具が必要です。会社でビデオカメラを用意するのか、個人のスマホやタブレットを借りるのか、いずれにせよ動画を撮影する道具を準備しなければなりません。また、それを編集するパソコンも必要になります。動画の編集をすることになるのでそれに適したスペックのパソコンが好ましいです。ここをケチると不快な環境での作業を強いることとなり、不満が出てしまいます。
④マニュアル閲覧環境・ネットワーク環境・セキュリティの整備
完成した動画マニュアルを社員やパート・アルバイトが何で見ることになるのか、その閲覧環境についてもこの段階で検討しなくてはなりません。同時に職場や各店舗のネットワーク環境についても併せて確認してください。社内サーバーやクラウドサーバーにアップロードしたマニュアルを快適に見るには、それに適したネットワークの環境が必要です。加えて、社員個人やパート・アルバイトも社内の機密情報へ頻繁にアクセスすることになるため、セキュリティの強化もしなければなりません。
⑤作成計画の立案と進捗管理
マニュアル作成のPDCAをきちんと回すために、マニュアル作成計画を立案し、メンバーで共有します。また、その進捗管理を最低でも週1回のペースでは実行してください。ここがいい加減で、“なあなあ”になってしまい内製化を断念する組織は多いものです。
⑥社内ヘルプデスクの設置
社内でマニュアル作成をお手伝いいただく方々は、マニュアル作成の専門家ではありません。ビデオカメラやパソコンの使い方に精通しているかどうかもわかりません。前向きな気持ちがあっても、知識やスキルが追いつかないと次第にモチベーションは落ちてしまいます。そこをカバーするために、ヘルプデスクの機能を確立しましょう。困った時に、すぐに相談に乗ってくれる状況があるのは、とても心強いものです。
⑦完璧を求めない心持ち
どんなにマニュアル作成の手順やルールを決め、レクチャーをしても、マニュアル作成の素人が作るマニュアルですから、専門家に外注したものと比較すれば品質が劣るのは当たり前です。中には、上手に作るメンバーいるかも知れませんが、関わった全員が高いレベルで作成できるというのは無理な話です。完成したマニュアルに対して、『完璧を求め過ぎない』ことが重要です。特に、マニュアル作成のプロセスにほとんとタッチしない経営者や経営幹部が、出来上がったマニュアルだけを見てケチをつけるのは言語道断です。
<マニュアル運用フェーズのポイント>
①トリガー・タスクの設定
出来上がったマニュアルを使ってもらうには、マニュアルを使うキッカケとなるトリガー・タスクを決めなければなりません。トリガーとは、「(銃の)引き金」のことです。それが転じて、「出来事が起こるきっかけ」という意味で使っています。マニュアルのトリガー・タスクとは「必ずマニュアルを使う業務・マニュアルを使わなければ成立しない業務」のことです。新人への技術指導やオリエンテーション、新商品の説明会等が、マニュアルのトリガー・タスクとしては適しています。
②利用状況の確認
実際にマニュアルが使われているのか否かをチェックし、結果をフィードバックします。使っていない人にペナルティを課す意味合いではなく、せっかく時間と労力をかけて作った動画マニュアルが、使われない原因を突き止め、使われる状態にする目的で実施しましょう。ボタン一つで閲覧状況を確認できるシステムもありますが、内製化の場合は、ヒアリングとアンケートの実施が妥当だと思います。
③テスト&技能検定の実施
マニュアルを導入する目的にもよりますが、「多くの人がある業務を、一定のスピードと品質でできるようになる」ことを目指すのであれば、それを確認するための機会が必要です。それにはテストおよび技能検定を実施するのが最適です。テストや技能検定を実施することで、社員たちが自発的に動画マニュアルを見るようにもなります。したがって、テストや技能検定がトリガー・タスクにもなってくれるのです。
④人事評価への反映
“ここまで出来たら理想的!!”というレベルの話ですが、マニュアルの活用度合いを人事評価制度で評価できないかを検討してみましょう。評価とリンクさせることができれば、否が応でも、マニュアルの活用は促進されるはずです。
いかがでしたか?
これらすべてをしっかりやろうと思えば、当然、人件費や端末の購入費用等のコストがかかります。したがって、自社で内製化するのか、専門家に外注するのかは、上記のポイントを一つひとつ比較検討した上で、意思決定することをオススメいたします。
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