一問一答
マニュアル運用における、よくある課題と対策を教えてください
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マニュアル運用における、よくある課題と対策を教えてください
マニュアル運用におけるよくある課題は以下の3つです。
①作ったマニュアルが使われているかどうかがわからない
②作ったマニュアルが見られていない
③作ったマニュアルが新たな業務の習得に繋がっているかわからない
これらの課題について、詳しく説明します。
①作ったマニュアルが使われているかどうかがわからない
多くの場合、マニュアルは紙に印刷し、ファイリングした上で、
店舗や各部門の職場に保管されています。
よって、マニュアルを作成する管理部門の社員にとっては、
作ったマニュアルが現場で使われているかどうかを把握することは困難です。
「作ったマニュアルがどの部門で使われていて、どの部門で使われていないのか」
「どのマニュアルが使われていて、どのマニュアルが使われてないのか」
を把握しないと、対策を講じることができません。
つまり、現状をデータで把握できなければ、課題が見えず、対策を決めることが
できないのです。
これでは、マニュアルは作りっぱなしのまま、実は各部門で保管されたまま、
お蔵入りとなっている可能性もあります。
マニュアルを作る目的は、生産性の向上や業務品質の底上げなどにつなげるため
です。しかし、マニュアルが使われているかどうかの実態が見えない限りは
効果的な対策を講じることができずに、生産性向上や業務品質の底上げに
つなげることも難しいでしょう。
②作ったマニュアルが見られていない
マニュアルを作成し、各現場に配っても、必ず見てもらえるとは限りません。
実際のところ、現場は目の前の業務で手一杯になっていたり、
マニュアルを見る習慣がないことで、マニュアルが見られていないことが
多いようです。
マニュアルを作る人は、現場の生産性が高まることで、
現場の時間的・精神的な余裕を生み出し、働きやすい職場を作ることに
貢献しようと思っていたとしても、作ったマニュアルを見てもらうための
きっかけや機会を作らない限りは、その思いは結実しないでしょう。
③作ったマニュアルが新たな業務の習得に繋がっているかわからない
マニュアルを見ただけで終わる人がいれば、マニュアルを見ながら
業務をやることで、業務を習得しようとする人がいます。
マニュアルに沿ってロールプレイングをする人もいるでしょう。
しかし、それは各部門で行われていることであって、
本部が各部門の取組みの1つ1つを把握することは簡単ではありません。
よって、作ったマニュアルがスタッフの業務の習得につながっているかどうかが
わからず、
「時間と手間をかけて作ったマニュアルは、本当に価値があったのだろうか」
といった議論になってしまうことがあります。
マニュアル作成の目的は、生産性向上や業務品質の底上げですから、
それらの成果に繋がっていなければ、マニュアルを作っても意味がなかったのでは
という話になるのも、もっともなことです。
これらの3つの課題への主な対策は、以下の3つです。
①マニュアルの活用状況の見える化
誰が、どのマニュアルを何回見ているかなどの閲覧実績を数値化することです。
人別・部門別・マニュアル別で、閲覧データを分析すると、活用状況や課題が一目瞭然です。
見ていない人や部門が特定できれば、直接現場にヒアリングに行って、問題を発見し、
解決に向けて取り組むことができます。
マニュアル活用が盛んな部門に対して、活用の仕方や手応え・成果などをヒアリングして、
それを全社に成功事例として発信するのも良いでしょう。
ただし、活用状況の見える化は人力で継続的に実施することは難しく、
ITツールを使う必要があるでしょう。
②マニュアルを閲覧する仕組みづくり
現場が目の前の業務で手一杯になっていたり、マニュアルを見る習慣がない場合、
見るための”きっかけ”を作る必要があります。
例えば、
・朝礼やミーティングで、マニュアルを確認し、仕事の手順やポイントを学習する
ための時間を設ける。
・新人に業務を教える時は必ず、マニュアルを見ながら指導する。
・仕事に入る前に必ず、マニュアルを見てから仕事を開始する。
など、日々の業務の中にマニュアルを閲覧することを組み込むことで
自ずと習慣になっていきます。
③習得状況の見える化
習得状況を確認するために、チェックリストや検定制度が有効です。
チェックリストは、2人1組になって、該当する作業をする側とチェックリストで
抜け漏れや正確さを確認する側に分かれて、チェックを行います。
マニュアルの通りに業務を習得していれば、すべてチェックがつきます。
チェックがつかない項目については、再度マニュアルを確認して、業務を覚えます。
このように、チェックリストを使うことで、習得状況の把握ができます。
検定制度とは、簡単に言うと、定期的なテストを行う仕組みです。
テストには、知識を問うペーパーテスト、実務のロープレイングのテストがあります。
このテストの結果を通じて、個人別・部門別の業務の習得状況の把握ができます。
また、テストの設計次第では、業務品質を把握することもできるでしょう。
以上、3つの対策を解説しました。
他にも、評価制度に組み込むことも可能です。
マニュアルの閲覧・活用の状況を評価・報酬に反映することで、
ただ、「マニュアルを使いましょう!」と本部が告知するよりも、
より強いメッセージを発信することができます。
マニュアルを使い、新たな業務を覚えるほど、評価が上がるようにすれば、
よりマニュアルを使うことに前向きになるスタッフが増えるでしょう。
全社キャンペーンや表彰制度と連動して、マニュアルを活用する方法もあります。
このように、マニュアル運用における、よくある課題と対策を押さえることで、
効果的な運用ができるでしょう。
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