一問一答

上司からの指示ではじめてマニュアルを作ることになった方、
過去にマニュアルを作ったがかなり苦労した方にとって、
マニュアル作成のコツ、いわば基本として必ず押さえるべき点について
解説します。

①マニュアルを作成する目的を決める
マニュアルを何のために作成するのかを明確にします。
つまり、マニュアルを通じて、どんな効果や成果を実現するかと
言い換えることもできます。

例えば、
「仕事の生産性を上げるため」
「仕事のミス減少や商品の品質を安定させるため」
「入社後の教育の効率化を図り、楽にするため」
「誰でも仕事を教えられる体制をつくるため」
などです。

目的を明確にせずに、マニュアルの作成に着手してしまうと、
成果につながらないマニュアルを作成したり、現場が必要としていない
マニュアルを作ってしまうことになります。

折角、作成したマニュアルが使われなかったり、成果につながらないのは、
もったいないでしょう。まずは、マニュアルを作成する前に、
目的を決めましょう。

②マニュアル化する業務（タスク）を決める
マニュアルを作成する目的を決めたら、次はマニュアルにする業務を
決めます。

例えば、「仕事の生産性を上げるため」であれば、
・時間のかかる業務
・発生頻度が多い業務
・手戻りやミスの多い業務
を洗い出すと良いでしょう。

他にも「入社後の教育の効率化を図り、楽にするため」であれば、
・入社後のオリエンテーションで説明すること（手続き・ルールなど）
・入社後の初期教育で教える業務
を洗い出すと良いでしょう。

このように、目的に関連する業務を洗い出し、それらの中で、
優先順位をつけて、マニュアルを作成していきます。

③マニュアルのフォーマットを決める
マニュアル化する業務が決まったら、次にマニュアルのフォーマットを
決めます。

よくあることは、作成する人によって、フォーマットの項目や
レイアウトが異なり、マニュアルを使う人にややこしい印象を
与えてしまい、マニュアルが見られなくなってしまうことがあります。
また、必要な情報が抜け漏れてしまうこともあるでしょう。

マニュアルのフォーマットの項目は
・手順
・作業内容
・作業のポイントや留意点
・使う道具
・所要時間
が基本です。

追加で、
・作業ごとのゴール（完成時の合格基準）
・作業の意味・目的
を入れても良いでしょう。

④情報収集する
業務に詳しい人にヒアリングしたり、業務を見せてもらうなどして、
マニュアル作成に必要な情報を、フォーマットの項目に沿って、収集します。

マニュアル作成担当者が、机の上で作業手順やポイントを洗い出し、
マニュアルを作成することがよくあります。その担当者が業務に精通していれば、
それでマニュアルを作ることはできます。

しかし、いろんなマニュアルを作るのでしょうから、すべての業務に精通して
いることはまれでしょう。

業務に詳しい人に時間を取ってもらい、業務中のシーンを写真や動画を
撮影したり、業務の目的やゴールをヒアリングするなど、現場に出向いて
作業をした方が、作成はスムーズに進むでしょう。

⑤マニュアルを作成する
決めたフォーマットに沿って、準備した静止画や動画を挿入したり、
作業の手順やポイントの説明文を入力します。

ここでのポイントは、マニュアルを使う人に伝わる言葉や説明を意識する
ことです。入社したばかりの新人が対象であれば、素人にゼロから基礎知識を
説明する必要があるでしょう。

一方で、ある程度のベテランが対象であれば、基礎知識はすでに理解した上で、
マニュアルを見ているという前提で作成すれば良いでしょう。

⑥マニュアルをチェック・修正する
良いマニュアルとは、誰がマニュアルを見て作業をしても同じ作業ができる
マニュアルです。つまり、再現性の高さが重要です。

そのためには、新人に時間を取ってもらい、
マニュアルを見ながら作業してもらいます。つまり、使えるマニュアルかどうかを
新人に検証してもらうのです。

実際に、新人がマニュアルを使うシーンを見ていれば、すんなりと理解できる
マニュアルになっているのか、迷うことなく作業ができるのかが一目瞭然です。

ここで、不明点が出てきたり、迷う仕草が見られれば、新人がわからなかった点や
迷った点を詳しくヒアリングし、マニュアルを改善すればよいでしょう。

このように、
①マニュアルを作成する目的決める
②マニュアル化する業務（タスク）を決める
③マニュアルのフォーマットを決める
④情報収集する
⑤マニュアルを作成する
⑥マニュアルをチェック・修正する
の手順を1つ1つ押さえていくことが、マニュアル作成のコツです。

ぜひ参考にしてみてください。

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