一問一答

教育の仕方ですが、OJTとOff‐JTとに区分できます。
OJTとは、On The Job Trainingの略で、職場内での実践教育を指し、
Off‐JTは、Off The Job Trainingの略で、職場外での教育訓練を意味します。
今回の質問の「教育する時間がない」ことへの対処方法として、第一に考慮すべきことは、この中のOJTです。

仕事をしながらあるレベルの教育が施されるのが、最も効率的だからです。
ところが、OJTを機能させられている企業は、多くはありません。
それは、OJTの何たるかを理解している人が少ないからなのではないでしょうか。
OJTによる教育とは、各仕事の正しい手順、出来栄え（質）と完了するまでに要する時間を示すことから始まります。

企画書の作成や、料理の下ごしらえ、車の整備点検、在庫の確認などなど、これらの仕事は、やろうと思えばなんとか形にできるかもしれませんが、仕事の目的や狙いを理解させ、求められる出来栄え（質）のアウトプットを規定時間内に完了させるには、正しい手順を踏むことが求められます。

ところで、同じ業界の中で、自社よりも業績のいい会社は、自社よりも質の高い仕事を効率よく進めていると考えて、ほぼ間違いありません。
この差はOJT力に起因していると捉えて、OJTの仕方に工夫を凝らしてみてください。

ここで、先に示したOJTを機能させる、

①仕事の正しい手順
②仕事の出来ばえ（質）
③仕事の標準時間

を教育対象者に示す方法ですが、それは、マニュアルに明文化すること以外、答えは見当たりません。

この正論を提示すると、そもそも教育する時間がないのだから、マニュアルを作成する時間も取れないとの反論が返ってきそうです。
ここで、冷静に次のことを考えてみてください。
それは、教育に時間がかかる原因についてです。
教育に時間がかかるのは、

①同じ人に同じ仕事を繰り返し教える
②新しい人に同じ仕事を繰り返し教える

この２つが、教育に時間がかかる原因の大半を占めるのではないでしょうか。
マニュアルを作成する時間を投資と捉えて実行すれば、教育に時間がかかるこの２大原因を取り除けます。
そして、マニュアルがあれば、マニュアルが社員を教育してくれるので、先輩や上司が教育に割く時間が不要になります。

以上、今回の質問の「教育する時間が無いのですが、何か良い方法はないですか？」
の答えは、業務マニュアルの整備となります。
ところで、マニュアルの作成は確かに手間がかかるため、これらのことはわかっていても手をつけられない実情もあります。

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