一問一答

業務が属人化してしまう要因には、

・難しい業務、機密に関わる業務であるために担当できる人が限られ、業務が属人化してしまう。
・発生頻度が低い業務であるため、スキルが低い方、未経験者が当該業務を担当する機会に恵まれない
（新しい人に教える時間を取るくらいなら、自分、あるいはできる人がやった方が速いと判断して、多能工化が進まない。）
・現担当者が多忙であるいう理由で、業務に対するふり返りやノウハウの整理をしている余裕がない
・担当者があえて業務内容を共有せず、属人化することによって職場での自分の立場を守りたい心理が働く

等が考えられます。

まずは、属人化してしまっている業務の中から、マニュアル化をする業務としない業務を仕分けなければなりません。マニュアル作成の仕分けの際には以下の視点を参考にしてください。

属人化のままで問題ない業務（≒問題の少ない業務）
①マニュアルの作業手順・方法が確立されておらず、近々変更の可能性がある業務
→マニュアルを作成するための作業手順・方法の整理に時間がかかるし、変更間近でマニュアルを作っても無駄になるかも・・・

②専門性が高い知識や高度な技能・技術が要求され、その習得に時間を要する業務
→マニュアルを作成しても、引き継ぐ相手がいないのでマニュアルが使われない可能性大

③業務実行のプロセスにおいてイレギュラーが多く、対応に臨機応変さが求められる業務
→マニュアルよりもケーススタディ等で組織に浸透させた方が効率的かつ効果的でメリットが大きい

④緊急対応の必要がなく、できる人の手が空くまで待っていても問題ない業務
→組織として瑕疵があっても我慢ができるなら一旦横に置いておきましょう

早急にマニュアル化すべき業務
①作業手順が明確で、その手順が頻繁には変更されない業務

②高い専門性や高度な技能・技術を必要としない業務
→①②は、属人化されているのは、たまたまその人しか実務担当者がいなかったという理由で任せ放しになってしまっている業務と言えます。これが属人化されているのはリスク管理の意識が低い組織の怠慢かも・・・

③他部署や協力会社、外部パートナーとの連携が必要な業務
→担当者が不在だと周囲に迷惑をかけてしまう可能性が大きいので、「まったくわかりません」という状態は回避したいです。

④将来的に社内の複数のメンバーが担当する可能性が高い業務
→組織やチームとしてパフォーマンスをスピーディーに上げるためにも標準化が必須です。

マニュアル化する業務が特定された後の工程は以下の通りです。

マニュアル作成の手順
➀業務フローを整理し、複数の工程に分解する

②担当者に各工程における業務のポイントをインタビューする
　※インタビューの項目は以下の通りです。
・どのような判断をするのか（視点と基準）
＞１つの判断の結果が多岐に亘る場合はすべてをマニュアル化する必要はありません。時間をかけてマニュアルにしてもすべてを頭にいれるのは困難になります。
・その判断をするためにはどのような知識やノウハウが必要になるのか
・その工程で求められる作業を完遂するには、どのようなスキルが必要になるのか？

➂可能であれば、インタビューをした方が、その内容に基づいてマニュアルを作成する
※現担当者が作成すると「これは知っていて当たり前」が多くなり、重要なポイントが明文化されない可能性があります。インタビューした方が作成することで、丁寧に作業プロセスを見直すことになり、今まで気付かなかった問題点に気づいたり、教育効果も期待できます。

④インタビューを受けた方が出来あがったマニュアルの内容をチェックする
　※ポイントは正確に伝わっているか、内容に齟齬や欠落はないかを確認します

⑤チェック済みのマニュアルを使って現場の未経験者が作業をし、マニュアルのミス・不具合を炙り出す

⑥⑤で現場で発見したミス・不具合を修正する

特に⑤⑥は、手間のかかる工程なので省略されてしまうことが多いのですが、この手間を惜しまないことがリリース後に活用される品質の高いマニュアルを作成する上では重要になります。

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