動画マニュアル作成のコツ②マニュアル作成のプロが考える「テンプレートの構成」とは
突然ですが、なぜ業務マニュアルは必要なのでしょうか?
もしかしたら、今まではマニュアルなしで仕事が回っていたのに、突然マニュアルを作らなければいけない状況に置かれてしまった方は、今まさにその疑問が頭の中を巡っているでしょう。その心は、本当に業務マニュアルの必要性を問うているよりも、「誰か『マニュアルは必要ないから、無理して作らなくても大丈夫だよ』と言ってくれ!」という、マニュアル作成に難航して現実逃避しかけている方々の心の叫びと言うべきかもしれません。
「そもそも何を書いたらよいのか分からない」というところで手が止まっているマニュアル作成の初心者が最も求めているもの…それはおそらく業務マニュアルのテンプレートでしょう。検索エンジンでは「マニュアル テンプレート」というキーワードが常に上位にランクインしており、マニュアルの基本的な作り方に悩んでいる方がいかに多いかを物語っています。
そこで今回は、動画マニュアル作成ツールにおけるマニュアルのテンプレートの構成について、順を追って解説いたします。
1. 役割は「ガイドマップ」!マニュアルの表紙の作り方
マニュアルを開いた閲覧者が最初に目にする部分が「表紙」です。
“表紙”と言っても、単なるタイトルページとして設置するだけではあまり意味がありません。「このマニュアルを見れば、どんな情報が得られるのか」を一目で伝える“ガイドマップ”としての役割を持たせることで、閲覧者が知りたい情報にスムーズに辿り着けるようになります。
一般的に、多くの動画マニュアル作成ツールでは、表紙に「画像(ツールによっては動画も可)」と「テキスト」を掲載できる仕様になっており、基本的には「テキスト」の部分に必要な情報を記載します。
表紙に盛り込むべき項目は、「概要」「目次」「関連リンク」の3つです。

①概要
マニュアルで説明されている作業がどんな内容なのかを大まかに説明します。
イメージとしては、「これから何を説明するのか」「覚えてほしいこと」「他に伝えておきたいこと」を端的に記載すればOKです。閲覧者が「自分に必要な内容かどうか」を判断できるように、なるべく作業に関連するキーワードを盛り込むことが理想です。
②目次
マニュアル全体の構成や、作業の大まかな区切りを示します。
目次は閲覧者が探している情報を見つけやすくするために必要な項目です。動画マニュアル作成ツールの機能によっては、所定の書式に則って目次を書くと、クリックするだけで目的のステップまで移動できるリンクを自動的に組み込んでくれるものもあります。
③関連リンク
作業をする上で必要な外部ページ、あるいは社内共有ドキュメントへのリンクURLをまとめて添付します。これによってマニュアルの利便性は各段に向上します。
特に「事前にやっておくべき別の作業のマニュアル」のリンクは、マニュアルを見る順序を明示する重要な役割も兼ねています。
これらの項目を最初に提示することで、「○○について知りたいときは、△△を見てください」と閲覧者をリードすることができます。
2. 作業イメージを忠実に!マニュアルの基本構成
次に、業務マニュアルの中心となる「作業手順の説明」の部分を作成します。
マニュアルを介して作業手順を説明する上では、実際に作業をするときに「どのタイミングで」「どの情報が」必要になるのかを正確に落とし込むことが重要です。さらにこのとき、予備知識の全くない初心者の視点を想定しなければいけません。しかし、マニュアル作成担当を含む多くの業務経験者は、頭の中で“一連の流れ”として固まっている作業を、改めて要素ごとに切り分けることに難しさを感じます。『マニュアル作成=面倒くさい』と感じて敬遠する人が多い理由もここにあると思われます。
では、上記のポイントを踏まえて、マニュアルの基本的な構成を整理してみましょう。
①導入部分


ここでは「事前に必要な準備」や「作業前の状態」を明示します。
例えば、作業に使う「道具(アプリも含む)」「食材」などをリストアップし、それらの「保管場所」もセットで記載することで、スムーズに作業を始めることができます。
また、閲覧者に親切な設計をするならば「作業前の状態」を明確に示すことも効果的です。特に、事前にやっておくべき作業が別にある場合、「作業前の状態=前段階の作業を完了した状態」に当たることから、前段階の作業のマニュアルのリンクをここに添付しても良いでしょう。
②作業説明部分


作業をステップごとに区切り、それぞれの「動作」「やる上で意識すべきこと」を説明します。必要に応じて、「途中経過」「別の角度から見た図」「NGなやり方」といった補足情報のためのステップを挿入しても良いでしょう。
動画マニュアル作成ツールを利用する場合、ステップには「動画」「静止画」「テキスト」を使用可能ですが、それぞれ異なる性質を持っているため、説明する内容に応じた使い分けが重要です。(詳細は【3.ステップの基本構成】で解説いたします)
③終結部分


最後に「作業完了時の状態」を示します。
これはマニュアルの体裁を整えるための項目ではなく、作業手順を一通り終えた後に「やり方に間違いはないか」を見直すための“最終確認”のステップを表します。
また、作業が終わった後に別の作業へと移る必要がある場合は、「次段階の作業のマニュアルのリンク」も添付しましょう。
このように、マニュアルの基本構成においては「情報が必要なタイミング」と「マニュアル間の前後のつながり」に基づいて情報を記載することがポイントです。
【1.表紙の作り方】でも述べたように、特に前段階・次段階の作業のマニュアルへのリンクを載せるという発想は、多くの方にとっては盲点かもしれません。冊子のマニュアルと違ってページの概念がないクラウドの動画マニュアルツールでは、閲覧者が意図せずマニュアルを見る順序が前後してしまう可能性が十分に考えられます。見るべきマニュアルの順番を意識的に示す必要があることを覚えておいてください。
3. テキストの使い方が重要!ステップの基本構成
マニュアル全体の構成の次は、ステップの構成について解説します。
【2.マニュアルの基本構成】でも述べた通り、一般的な動画マニュアル作成ツールでは「動画」「静止画」「テキスト」を用いてステップを構成します。基本的には、各ステップの内容に応じて「動画+テキスト」または「静止画+テキスト」を使い分ける場合が多いでしょう。
このとき、動画や静止画には「作業内容」を載せますが、テキストの内容は、ステップに動画と静止画のどちらを用いたかによって変える必要があります。ポイントは以下の通りです。
①動画+テキスト

ステップに動画を使った場合、テキストには「動画の収録内容の目次」を書くと良いでしょう。収録されている作業手順が多ければ、ダイジェストのように要約した目次でも構いません。
テキストには「補足説明」を書くべきでは…と思われるかもしれませんが、動画の再生中はテキストが表示されないツールが多く、そもそも動画とテキストに意識が分散すると内容が頭に入りにくいため、メリットはほとんどありません。「補足説明」は動画内のテロップで端的に伝えましょう。
②静止画+テキスト

ステップに静止画を使った場合、テキストにはおもに「補足説明」を記載します。とくに追記することがなければ空白でも構いません。
ツールによっては【スナップショット】を用いて動画の一場面から静止画を切り出す機能がありますので、動画の中で説明しきれなかったポイントを補足したいときに活用することが可能です。
使い分けのポイントとしては、基本は「静止画+テキスト」で構成し、静止画で伝わりづらい内容は「動画+テキスト」で構成すると、マニュアル全体が長すぎず短すぎずのちょうど良いボリュームに収まるのでおすすめです。
4. これが鉄板!分かりやすいマニュアルのテンプレートまとめ
動画マニュアルのテンプレートの構成について解説してきました。
ここで紹介した動画マニュアルの基本構成を改めて整理すると、以下の通りです。
● 表紙
作業の概要、目次、作業に必要な添付資料、前段階の作業のマニュアルのリンク
● 作業手順(始)
事前に必要な準備、作業前の状態、前段階の作業のマニュアルのリンク
● 作業手順(中)
やるべきこと、やる上で意識すべきこと
● 作業手順(終)
作業完了時の状態、次段階の作業のマニュアルのリンク
これらの要素はどの作業においてもほぼ共通しており、「情報の抜け漏れ」にさえ気をつけていれば、十分に実践的なテンプレートとして利用できるでしょう。
